水垢について
黒ずみの原因の一つはシリカです。シリカは水道水中の溶解物（重金属）が水分の蒸発によって便器などに付着するものです。付着原因水質にもよりますが、利用頻度の低いトイレでは便器内の水の流動が少ないため、比較的付着しやすいようです。一旦付着した黒ずみはガラスと同様の性質を備え、便器表面のガラス質と同化し、通常の清掃方法では除去できません。
消えないトイレの悪臭の原因は…？
トイレの悪臭が発生する最大の原因は、便器に溜まった尿石です。尿石とは、私たちの尿に含まれているタンパク質が細菌の働きによって便器や配水管、便器の周辺の床や壁に付着したものです。一度この尿石が発生し、付着してしまうと石のように固くなり、ブラシでこすったくらいでは簡単に除去できません。尿石は臭いの元となるばかりではなく、小便器などの配水管を詰まらせる原因にもなります。また、細菌の繁殖を促して、さらに汚れが付着しやすい悪環境を招いてしまうのです。
尿石発生のメカニズム
尿石の発生メカニズムは次のとおりです。
- 一般細菌（雑菌）が出すウレアーゼ酵素によって、尿中に含まれる尿素が分解されます。
- 分解された尿素はアンモニアに変換され、便器内の液性がアルカリ性に偏ります。 この時のアンモニアがトイレの中の悪臭の大半を占めます。
- 液性がアルカリ性に偏り、phが8.0～8.5を超えると、尿中に溶解していたカルシウムイオン（Ca2+）が難溶性化合物（炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなど）になります。これが尿石といわれるものです。
- 尿石は多孔質であるため、有機物や一般細菌が蓄積しやすい性質となっています。
プロが教えるワンポイントアドバイス
掃除の時に便利なビニール手袋は、外に折り返しておくと、液ダレなどで袖口が濡れたりせず掃除が快適にできます。
